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零戦32型の主翼



零戦32型の主翼
20**.**.**  倶知安風土館

ニセコ山中で発見されたゼロ戦32型試作機の主翼

ゼロ戦の残骸が回収されるのは、ほとんどが南洋諸島のジャングル、あるいは日本周辺の海底・湖底である。

だが、意外な場所で発見されたゼロ戦の残骸が存在する。

戦時中の昭和18年末から20年春にかけて、北海道ニセコアンヌプリ山頂で、ゼロ戦を使って着氷実験が行われていた。

高々度の極低温下で機体に着氷すると、墜落に至る致命的な事故を招くため、軍部が「雪博士」の異名を持つ北海道大学低温科学研究所の故中谷宇吉郎教授に依頼して、山頂にゼロ戦の前半部と主翼を運び上げ、モーターでプロペラを駆動して、着氷する様子を観察・研究していた。

やがて敗戦を迎え、占領軍の押収を恐れた関係者は、機体を谷間に隠した。

1990年になって、この情報を得た北海道新聞社は、取材班を編成して捜索を行い、ついに残骸の一部を発見した。

後に回収された子の残骸は、貴重なゼロ戦32型試作機の主翼と判明し、倶知安風土館に展示されている。


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